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進出著しいインドでビジネスを成功させるために

【Global Report】進出著しいインドでビジネスを成功させるために

(連載第11回)新興国の物流最前線

12億という人口を抱え、力強い経済成長を続けるインドは、企業の世界戦略の中で重要性を増しています。
日系企業の進出社数も2015年に1,200社を突破し、自動車関連メーカーを中心に、化学、鉄鋼、ITなど、業種は多岐に渡っています(図)。進出地域もインド国内東西南北と広範囲に及び(国土面積は日本の約9倍)、インドでビジネスを行うには、部材調達や販売において1,000~2,000km以上の長距離輸送が求められるため、日本とは物流環境が大きく異なるということを肝に銘じておく必要があります。

図:インド各州における日系企業拠点数
出所:在インド日本大使館

物流整備はまだまだ途上

インドの経済成長を支えるひとつが内陸輸送を中心とする物流ですが、インフラ整備が追い付いていないのが実態です。インドの輸送全体の7割以上を道路輸送が占めているにも関わらず、国内道路の8割以上が未舗装の一般道であり、国内長距離輸送の障害となっています。主要幹線道路においても、舗装はされていても路面の凹凸が酷い箇所がいたるところにあり、交通マナーも悪いため、交通事故が多発しています。さらに、日本では考えられないことですが、牛やラクダ、ヤギ、羊などが道路上を右往左往し、道路交通を妨げています(写真1、2)。これらの問題が、スムーズな物流の障害となっているのです。

写真1:デリー市内の凹凸の道路

写真2:動物で道路が塞がれることも

このような道路事情の劣悪さに加え、その道路を走るローカルのトラック事業者も課題のひとつとなっています。ローカル事業者の多くは保有車両5台未満の個人事業主で、運転スキルやモラルの低い事業者が多く、ドライバーとの連絡もスムーズに取れません。設備の老朽化も目立ち、輸送中の貨物へのダメージや紛失が頻繁に発生しています。このように、一定のサービスレベルを求めるのが困難な状態であり、インド全域でサービス展開している組織的な物流事業者は限られています。

内陸輸送の手段としては鉄道輸送もありますが、日本のようにいわゆる時刻表による定時サービスがなく、貨物が一定量集まってから発車する仕組みになっています。
そのため、貨物列車が出発するまでに時間を要し、貨物が遅滞・滞留することが常態化しており、残念ながら、日系企業の求める物流サービスレベルには到底達していないのが実情です。

インド物流構築のポイント

このように輸送のハード・ソフト両面での問題が、物流コスト増大の要因となっており、インドでのビジネスを難しくしています。そのため、インドでビジネスを行う際は、必ずインド全土でのネットワークを有する事業者、かつ比較的大手のパートナーと手を組むことが成功のポイントとなります。

昨今、スピードや確実性、ダメージの有無よりもコストを優先する傾向がありますが、特にインドに限っては物流事業者の選定に一層時間を掛けることが求められるので、是非注意していただきたいと思います。

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この記事の著者

出身地:東京都品川区 ◆血液型:B型 ◆趣味:ビリヤード、音楽鑑賞、飲酒(ワイン、日本酒)

2000年 法政大学 経済学部 経済学科 卒業
【得意分野】 ・海外での調査案件 ・輸出入制度調査案件など

近年はグローバル化の波が押し寄せ、国際物流に関する調査が増えています。私も海外出張に行く機会が増えましたが、出張先では空いた時間に現地のビリヤード場に飛び込みで訪問し、ローカルの方々とビリヤードをするようにしています。言葉が通じない時も多々ありますが、ビリヤードを通じて文化や習慣の違いを感じることができます。仕事の場面でも『効率化』についての考え方が日本人と違っていたり、日本のスタンダードがグローバル・スタンダードではなかったりと驚くこともしばしばです。やはり、実際に現地に飛び込んでみないと分からないですね。「百聞は一見に如かず」、これからも現場目線で積極的に学びつつ、質の高い仕事ができるよう頑張っていきたいと思います。

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