MENU

【物流営業】顧客開拓は「足で稼ぐ」から「検索してもらう」時代に!

logitan-1711-03_01

一昔前の物流営業は「足で稼ぐ」のが主流でした。しかし、今や、そうしたやり方ではなかなか新規顧客を獲得するのが困難になっています。従来の「売り込む」営業スタイルが直面する壁を乗り越えるには「検索してもらう」営業スタイル、つまり「インバウンド営業」にシフトする必要があります。物流営業が直面する限界と、打開のための方策をご紹介いたします。

物流業界の従来の「足で稼ぐ」営業スタイルはもう限界!

昭和30年代は物流業界も「客待ち営業」という夢のような時代がありました。その頃は荷主が物流事業者のところに仕事を頼むために来店するということがあったそうです。

しかし、そんな時代はすぐに終わりを告げ、「足で稼ぐ」営業スタイルに取って代わりました。「足で稼ぐ」営業スタイルのことを「アウトバウンド営業」といいます。アウトバウンドとは、ここでは「外に出していく」という意味で、企業が見込み客に向けて積極的に仕掛けていくやり方を指しています。

たとえば、「テレアポ」と呼ばれている電話セールスの手法や、予約なしで突然営業訪問する「飛び込み営業」などが典型的なアウトバウンド営業です。他にもダイレクトメールを送りつけるとか、チラシや新聞広告、テレビCMといった手段もアウトバウンド営業になります。要するに相手が望んでいるかどうかを問わずに一方的に働きかけるやり方がアウトバウンドです。

こうした一方的な働きかけでも嫌がらずに好意的に受け入れられていた時代が確かにありました。今から10~20年前くらいまでは、こうした強引な手法でも営業担当者の話を聞いてくれたり、仕事を受注できたりしていました。それは、当時、情報取得手段が乏しく、営業担当者の話を聞くことでしか入手できない情報が少なくなかったからです。荷主側も情報収集のために営業担当者の来社を待ち望んでいたわけです。

しかし、2000年頃を境に時代環境が様変わりし、インターネットの爆発的な発展によって人々は情報収集の大部分をインターネットにより取得するようになりました。現に、一般人が入手する商品情報の約70%が今ではインターネット検索によって行われているというデータがあります。また、企業間取引においても必要な情報の約60%の部分を営業担当者からではなくインターネット検索で入手しているというデータもあります。

このように情報収集の手段が営業担当者からインターネットに移ってくると、従来の強引な営業スタイルは急速に嫌われるようになっていきました。必要な情報のかなりの部分がインターネットでいつでも入手できるわけですから、面倒な営業担当者との付き合いは出来るだけ避けたいと思うようになるのは自然な流れです。

そこで一般消費者だけでなく企業間取引においてもテレアポや飛び込み営業は受付段階でほとんど断られるようになり、ダイレクトメールも読まれず廃棄されるようになりました。従来の「足で稼ぐ」営業が効果を失ってしまったのです。アウトバウンド営業全盛の時代が終わりを告げ、まったく逆の発想の営業スタイルが実効性を持つようになっていきました。

「足で稼ぐ」営業スタイルから「検索してもらう」営業スタイルへの劇的変化

logitan-1711-03_02
1990年代の黎明期には、インターネットで送受信できる情報量は限られたものでした。当時は電話回線を利用したダイアルアップ接続の時代であり、通信速度があまりに遅いためホームページで使用できる画像の数量や画質にも事実上大きな制約がありました。

しかし、その後、ブロードバンド化が急激に進展し送受信できる情報量は飛躍的に増加しました。その結果、ホームページの表現力も驚異的に進歩し、様々なホームページが百花繚乱の様相を呈しています。つまり、膨大な量の情報が誰でも簡単に入手できるようになったのです。

今、私たちは、こうした情報過剰環境の中に置かれています。そこで、私たち自身がそうであるように、ビジネスパーソンを含めてほとんどの人々は、あまりにも溢れかえっている情報の洪水に溺れまいと必死に過剰な情報をシャットアウトするという防衛的な態度を身に着けるようになっています。

人々が情報に対する防衛的な態度をとるようになったことこそが、従来の「足で稼ぐ」営業、すなわちアウトバウンド営業を困難にしている理由です。企業間取引においても、購買意思決定において必要となる情報収集のかなりの部分がインターネットによって行われています。情報収集がかなり進んだ段階ではじめて営業担当者に接触するようになっているのです。

この事実は、重大なことを教えています。つまり、従来の「足で稼ぐ」営業、すなわちアウトバウンド営業の時代には一方的に情報を押し付けるというやり方でした。しかし、現代では、反対に、顧客企業の担当者がインターネットで検索してくれるような情報の出し方をする必要があるということです。

このように、自社の情報を「見つけてもらう」つまり「検索してもらう」という情報の出し方のことを「インバウンド」といいます。そこで、先進的な企業は見込み顧客が必要とすると考えられる情報をホームページ上に用意しておき、顧客に見つけてもらいやすくしていくというインバウンド営業のスタイルに切り替えるようになっていきました。これが、様々な業界で約10年前に始まった動きであり、現在も変化の真っただ中にあります。

しかしながら、物流業界はこうした動きへの追随が遅れており、いまだにアウトバウンド営業のスタイルに頼っているのが実情です。しかし、そうしたやり方では実際上上手く仕事が取れなくなっているのではないでしょうか。弊社で調査したところによれば、インバウンド営業のスタイルを積極的に取り入れ、ホームページを活用した上手な情報の出し方にチャレンジしている物流事業者は調査対象企業の13%にすぎませんでした。

確かに従来の「足で稼ぐ」営業スタイルに馴染んだ営業パーソンにとっては「検索してもらう」営業スタイルには強い違和感があるかもしれません。しかし、見込み客がインターネットを活用して情報を検索しているという厳然とした事実がある以上、避けては通れない道という他ありません。

まとめ

インターネットの飛躍的発展により従来の「足で稼ぐ」営業スタイルが限界に直面しています。一般消費者との取引だけでなく企業間取引においてもアウトバウンド営業のスタイルからインバウンド営業のスタイルに切り替えなければ対応できなくなっています。

物流業界においても、こうした時代の趨勢を踏まえて、従来の「足で稼ぐ」営業スタイルから「検索してもらう」営業スタイルに素早くシフトできた企業が競争優位に立てるのではないでしょうか。

新規の荷主様が御社のホームページを来訪しないのはなぜか?

Facebook RSS

Page Top