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トラックドライバー不足の正しい認識と対応について

【Logistics Report】トラックドライバー不足の正しい認識と対応について

トラック輸送の現場では、「募集してもドライバーが集まらない」という声が非常に高まっています。しかし、足元ではこれまでどおり運ぶことができている現場が多いため、本当に不足しているのかとの声を耳にします。それは、物流を止めてはならないという運送事業者の責任感のもと、事業者とドライバーの頑張りによって維持されているからです。現存のドライバーが休日出勤や残業をこなし、予備のドライバーが常に運転し、事務職、管理職がドライバーを兼務しているケースも少なくありません。しかし、このような頑張りには、自ずと限界があり、輸送の安全性のリスクが高まることも懸念されます。

物流の現場では、輸送量に比べて輸送力のほうが多い供給過多の時代が長く続いてきましたが、年々、主に年齢を理由に辞めていくドライバーの数に対して、新たなドライバーのなり手が少ないことが続いた結果、供給不足へと逆転したとみられます。つまり、今日のドライバー不足の問題は、社会変化に伴う構造的な問題として捉え、これまでのようなトラック輸送ができないリスクに直面し ているという現実を冷静に受け止めることが重要です。

そもそも、ドライバー不足の最大の要因は、他産業に比べて長時間労働で低賃金という厳しい労働条件にあり、安定した輸送力を確保するためには、ドライバーの労働条件を他産業並みに整備していかなくてはなりません。言い換えれば、これまでのようにトラック輸送やドライバーの労力に依存しすぎた物流から、「ドライバーに優しい物流」に見直していくことが、今後のあるべき物流の姿ではないでしょうか。それには、例えば長時間労働の一因である荷物の積卸しまでの手待ち時間がない現場、きつい労働の一因である手作業による積卸しを排除した現場をいかに実現するかです。また、長距離輸送については、トラックから鉄道や船舶利用にシフトすることも必要ですが、一方でリードタイムが長くなることへの理解や、運行ダイヤが決まっている鉄道や船舶に乗り遅れないよう、出発時間の厳守への対応が必須です。さらに運賃についても、ドライバーの労働実態に見合った賃金を支払うことができる適正なレベ ルの負担も必要とみられます。

つまり「ドライバーに優しい物流」の実現には、運送事業者の自助努力のみならず、荷主企業や消費者を含めた社会全体の理解と協力が不可欠であることを、認識する必要があると考えるところです。

【トラックドライバー需給の将来予測】

2010年度 2020年度 2030年度
需要量 993,765人 1,030,413人 958,443人
供給量 964,647人 924,202人 872,497人
過不足 ▲29,118人 ▲106,211人 ▲85,946人

出所:公益社団法人鉄道貨物協会の「平成 25 年度本部委員会報告書」平成 26 年 5 月

この記事の著者

◆出身地:東京都板橋区 ◆血液型:B 型 ◆趣味:ゴルフ・ジャイアンツ
1988 年 日本大学 理工学部 卒業
【得意分野】・トラック輸送関係全般 ・都市内物流 ・海外物流事情

かれこれこの仕事をはじめて28年目を迎えています。自分でもよくここまで続けてこられたなと思います。この仕事のおかげで、平成 5 年の米国を手始めに、数多くの海外出張を経験させていただきました。当時は物流実態や先進事例の調査が多く、その対象地域は欧米でした。その後、日系企業の中国や東アジアへの進出に伴い、中国、韓国等を対象とした物流実態調査が増え、そして近年はアセアン諸国が中心となっています。調査対象国の変化は、大きな意味で「物流の変化」と相まっていることは間違いありません。
出張先では、その地の名物を食すことが楽しみとなっています。それまで一度も食あたりの経験がないのが自慢でしたが、2 年前のミャンマー出張で“やや当たり気味”となってしまいました。それでも今回のカンボジア、ラオス、その後のタイで引き続き「地元メシ」を楽しんでいます。「安心して下さい、当たってませんよ!」。

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