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いざ、自動車産業の進出ラッシュで活況を呈するメキシコへ!

【Global Report】いざ、自動車産業の進出ラッシュで活況を呈するメキシコへ!

(連載第4回)新興国の物流最前線

Buenos tardes(ブエナス・タルデス)!!
皆様、こんにちは。菅と申します。今年8月にメキシコ~アメリカへ調査の関係で行ってまいりました。今回は約1週間の北米出張だったのですが、メキシコの現況を中心に簡単にご報告いたします。

メキシコは日本の約5倍の国土面積をもつ大国です。マヤやアステカの先住民文化とスペインの文化がブレンドされ、遺跡や古都、ビーチリゾートなどの観光要素が盛りだくさんとなっています。料理はスパイスが豊富なお国柄だけに、色々な香辛料を使った複雑な味わいが堪能でき、今回の調査では嫌というほど多種多様なタコスを食べることができました。

さて、物流関連のお話を。メキシコにおける陸送は日本と異なり、単車ではなく、トレーラーによる輸送が主となっています。近代型米国トレーラーは、1980年代後半からは48ft、1990年代には53ftと大型化しています。メキシコも米国同様、ビックサイズの53ftトレーラーが主流になっているようです。私は今回の北米出張で初めて、フル・トレーラーを見たのですが、その53ftのトレーラーを2両連結したフル・トレーラーの長さを見て唖然としました。フルトレの長さはおよそ32m。
日本の10トントラックが約13mですので、およそ2.5倍の長さになります。ハイ・ウェイではフル・トレーラーがバンバン走っています。

写真 1:53ft トレーラー

写真 2:ハイ・ウェイを走るフル・トレーラー

メキシコ・シティを歩いていると、日産自動車の「TSURU」という名前のメキシコらしいピンク色のタクシーを多く目にします。日本でもよく見かける他の日系自動車メーカーの最新モデルも多く見られました。
これまでメキシコは日産自動車の主な生産拠点となっていたのですが、最近ではホンダ、マツダ等の日系自動車メーカーも進出しています。メキシコは自動車生産台数で世界第8位、輸出量で世界第4位(2013年)を誇ります。1994年の NAFTA(北米自由貿易協定) 発効により、NAFTA 域内の貿易は大幅に拡大しました。メキシコの対米国・カナダの関税は、一部の品目を除いてほとんどの工業製品についてゼロになったとされています。例えば自動車の場合、メキシコからの輸入は関税が0%になります。これにより自動車メーカーはこぞってメキシコに進出し、重要な生産拠点としています。
最近ではトヨタがメキシコに新工場を建設すると正式に発表しました。

メキシコのシラオ(Silao)ではマツダの工場と、ホンダの工場を外からですが見ることができました。工場のシャーシプールには、ヘッドを切り離したトレーラーだけがずらーっと並び、トレーラーに積まれた自動車部品が必要に応じて補充されます。工場には貨物列車の引込み線が延びており、カートレインとよばれる、完成車輸送専用の貨物列車も見ることもできました。

写真 3:カートレイン

貨物列車といえば、やはり北米。
とにかく長い!鉄道コンテナ、海上コンテナを積載した貨車、タンク車、バルク貨車・・・と、どこまでも列車の編成が続いています。
鉄道会社によれば、1編成の列車が280台のコンテナを運ぶ超大量輸送を行うこともあるそうです。
ちなみに、鉄道コンテナもトラックに合わせて53ftのドメスティックコンテナが主流となっています。

次回はメキシコ・米国の国境、ラレードについてレポートします。

http://www.jta.or.jp/rodotaisaku/kyogikai/pdf/Shipper%20recommendation%20system%20Leaflet.pdf

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この記事の著者

◆出身地:千葉県館山市 ◆血液型:A 型 ◆趣味:旅行(たまに)・カメラ(少し)・麺巡り(結構)・ゴルフ(最近)
2005 年 東洋大学 大学院 工学研究科建築学専攻 卒業
【得意分野】 ・トラック輸送、鉄道輸送、緊急物資輸送、インターモーダル輸送に関する物流調査

近年弊社では、国際物流に関する調査案件が増え、今回、私も微力ながらメキシコ~アメリカの北米調査に参加しました。やはり海外へ行くと、日本とは異なる文化や慣習に多く気づかされ、大変刺激となります。学生時代は、日本と異なる世界を見たいと、一生懸命お金を貯めて、海外へ一人旅に出たものです。
今回のメキシコを中心とした北米調査でとても刺激的だったのは、道路では長大な 53ft のダブルストレーラーが多く走り、鉄道では 53ft コンテナが主流となっていたことを見たことでしょうか。メキシコもアメリカの影響を受けて変化しています。世界各国でもこのように輸送効率化を求め、今後ますます輸送単位は大型化していくのでしょうか。その時、日本はどのように対応していかなければならなくなるのでしょう?
実体験による驚きも加わり、今では世界の動向から目が離せません。今後も海外調査案件を通して、皆様に刺激となるお話しを提供できたら、と思っています。

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