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輸送振動の基礎・揺れ方

【Logistics Report】輸送振動の基礎・揺れ方

今回は輸送振動についてお話しします。しかし輸送振動は、まだまだ未開なことが多く、研究中の分野です。また、解りやすくするため、ここでは物理用語的に適さない表現を使うこともあるので、専門の方はご了承ください。
輸送には主に、①トラック輸送②鉄道輸送③航空輸送④船舶輸送の4つの方法があります。航空輸送は飛行中、気流による揺れが生じますが、輸送商品にはあまり加速度は掛かりません。離発着時でも1~2G程度の加速度なので、それほど大きい値ではありません。船舶輸送では、海上において加速度を検知することはほぼなく、ときどき波が船体を叩く値を計測する程度です。この2つの輸送方法については、別の機会にお話しします。

さて、トラック輸送と鉄道輸送ですが、ここでは輸送振動における振動の成分「振動数」について話を進めます。「振動数」とは、1秒間に何回揺れたか(電気・電子分野では1秒間の波の数)を指します。ゆっくり揺れるか小刻みに揺れるか、その状態で輸送貨物に与える影響が大きく異なってきます。
鉄道輸送では、トラックや船舶と比べ水平方向、特に横方向(左右方向)の振動が大きい傾向にあります。近年、トラック輸送におけるエアサスペンション車の導入が進んでいますが、この車種は他の車種よりも左右振動が大きい傾向があります。しかし、エアサスペンション車における左右方向の振動は、荷台丸ごとが揺れるのに対し、鉄道輸送の場合、真横に作用する振動となり、傾向は似ていても振動の性質が異なると推察されます。

トラックと鉄道コンテナでの振動の違い

図1:トラックと鉄道コンテナでの振動の違い

このようにトラックは荷台丸ごとが揺れるので、段ボールに入った製品は中で傾斜し、圧力が掛かりやすくなり、主に段ボールが潰れるなどの事故に繋がります。一方、鉄道輸送では左右方向の水平に振動するので、この振動状態では上段ほど揺れやすく、各段で個別の振動が発生することが想像でき、段ボール擦れの事故に繋がります。(擦れ事故の発生メカニズムは別の機会に・・・。)
振動を解析したデータを図2と図3に示します。この図は、縦軸が「力の大きさ」横軸が「振動数」を示し、どの程度の振動数で大きな力が掛かっているかがわかります。

トラック(エアサス)輸送振動

図2:トラック(エアサス)輸送振動

鉄道輸送振動

図3:鉄道輸送振動

この記事の著者

◆出身地:東京都大田区 ◆血液型:O 型 ◆趣味:自動車レース、カメラ、音楽
1986 年 東海大学 第二工学部 卒業
【得意分野】 ・輸送環境調査 ・包装材評価、試験

2010 年から包装、輸送試験に関する国際規格対応委員会に参加したり、2013 年に JIS の包装試験の改定委員になったりと、規格原案の作成に携わって早6年が経過しました。これらの規格は、包装の業界だけでなく、包装を使用するメーカーにも不利益が生じないようにすることが重要です。当然、物理的、化学的に正しい裏付けが必要となるため、そこを理解し、解決することが大変です。
昨年は ISO780 規格の改定委員になり、「ケアマーク」の見直しを行いました。「ケアマーク」は、段ボールなどに貼る取扱注意の指示シールのことです。実は、表記された「画の線の太さ」に意味があったり、「○や×は左右対称でなければならない」などのルールがあり、初めて知ることも多い作業でした。現在も JIS が2規格、ISO が2規格の改定中。業界の不利益にならないように留意しながら進めております。

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