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ドライバーの労働時間短縮に向けた荷待ち時間等の記録の義務付け

【News Pickup】ドライバーの労働時間短縮に向けた荷待ち時間等の記録の義務付け

荷待ち時間問題への対応で運送事業の未来が大きく変わる!?

トラックドライバー不足が、一層深刻化しています。トラックドライバーは、全産業と比較して低賃金・長時間労働であり、そのため、条件が厳しい業務からは撤退する運送事業者の事例も目立つようになってきました。しかし、未だ長時間労働の改善に苦慮している現場は多く、荷主側でも、安定した輸送力の確保に対し、一層真剣に向き合わなくてはならない状況にあります。

トラックドライバーの長時間労働の要因のひとつには、荷主庭先での長時間の荷待ち時間・荷役時間があります。国土交通省の調査結果によると、手待ち時間(≒荷待ち時間)のある運行が全体の46%を占め、その平均拘束時間(始業から終業までの時間)が13時間27分、うち手待ち時間が平均1時間45分となっています。手待ち時間がない運行(全体の54%)の平均拘束時間が11時間34分なので、概ね手待ち時間の分だけ、拘束時間が長くなっている実態が明らかとなっています。

図:一運行の平均拘束時間とその内訳(手待ち時間の有無別)

図:一運行の平均拘束時間とその内訳(手待ち時間の有無別)

出所:国土交通省ホームページ及び国土交通省資料

ただし、この手待ち時間(荷待ち時間)の削減は、運送事業者の自助努力だけでは限界があり、積込み先や荷卸し先の荷主の協力が不可欠となります。つまり、荷主企業と運送事業者が一体となって、荷待ち時間の削減等による長時間労働の改善に取り組むことが重要です。

荷待ち時間削減のためには、まず何よりトラックドライバーの「荷待ち時間の実態」を把握する必要があります。そこで、国土交通省では平成29年7月1日に「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」を施行し、『荷主都合30分以上の荷待ちの「乗務記録」が義務付け』になりました。

この省令は、トラックドライバーが『車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合、荷主の都合により、30分以上待機したときは「集貨地点等、集貨地点等への到着・出発日時、荷積み・荷卸しの開始・終了日時」などを乗務記録の記載対象』として追加するものです。

国土交通省では、今回の一部改正により、荷待ち時間等の実態を把握することで、トラック運送事業者と荷主の協力による改善への取り組みを促進するとともに、国としても、トラック運送事業者やトラックドライバーに対して過度な要求をし、長い荷待ち時間や長時間労働を負担させている荷主に勧告等を行うにあたっての判断材料とするとしています。

弊社で実施しているトラックドライバーの労働時間の短縮に向けた輸送現場改善のアドバイス業務の中でも、未だに相当の荷待ち時間が発生しているケースがみられます。

例えば午後5時の指示で積込みに行っても、実際の積込みは2時間待って午後7時から。午前8時の指示で荷卸しに行っても、実際の荷卸しは午前10時から等々。また、午前8時のからの荷卸しが到着順となっており、その順番取りのために、午前6時には到着し、2時間待つこともあります。積込みも荷卸しもトラックの台数と1台にかかる荷役時間は分かるはずなので、車両毎にきめ細かい時間指定を行うことで、大きなコストをかけずに余分な荷待ち時間を削減することが可能な現場は少なくありません。

今回の省令で義務化された荷待ち時間の記録をもとに、荷主と運送事業者が協力して、積み卸しの現場改善を進めていくことが、大きく望まれます。

出所:国土交通省ホームページ及び国土交通省資料

出所:国土交通省ホームページ及び国土交通省資料

この記事の著者

◆出身地:東京都板橋区 ◆血液型:B 型 ◆趣味:ゴルフ・ジャイアンツ
1988 年 日本大学 理工学部 卒業
【得意分野】・トラック輸送関係全般 ・都市内物流 ・海外物流事情

かれこれこの仕事をはじめて28年目を迎えています。自分でもよくここまで続けてこられたなと思います。この仕事のおかげで、平成 5 年の米国を手始めに、数多くの海外出張を経験させていただきました。当時は物流実態や先進事例の調査が多く、その対象地域は欧米でした。その後、日系企業の中国や東アジアへの進出に伴い、中国、韓国等を対象とした物流実態調査が増え、そして近年はアセアン諸国が中心となっています。調査対象国の変化は、大きな意味で「物流の変化」と相まっていることは間違いありません。
出張先では、その地の名物を食すことが楽しみとなっています。それまで一度も食あたりの経験がないのが自慢でしたが、2 年前のミャンマー出張で“やや当たり気味”となってしまいました。それでも今回のカンボジア、ラオス、その後のタイで引き続き「地元メシ」を楽しんでいます。「安心して下さい、当たってませんよ!」。

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